おはようございます。ソソグー不動産の帆足太一です。
不動産管理での入居の様子がイマイチ芳しくないので、自社の空室対策会議に乗り込んでいます。
コロナ禍の空室に関しては過去このブログでも何度も書いてきていて、一部の物件以外は何かしらの違和感を感じているのが事実で、僕が現場に乗り込むというのはよろしくはありません。でも、入居率が落ちていくのを指を加えてみておくのは性に合いません。
仮にこれが一過性のものであっても、個人投資家にとっては管理会社の実力だ、ということにもなりかねないし、何より空室がストレスになってしまう方が多いので、何かしらで向き合う必要を感じています。
広告料のパワー低下と物件力
現状、ほとんどのエリアでコロナ禍ではない例年に比べると、新築でも築古でも設定を変えないと入居がつきにくい事態となっています。でも、いまだにコロナによる失職や収入低下などによる退去が続いています。
これまでは広告料というエサを武器に営業マンにプッシュしてもらい、物件力が他に劣っていても満室になったような背景があり、そのような時代は遠からず将来は減っていくことになるということは以前から言っていました。
※消費者サイドからするとグレーなことは見過ごせない部分もあると思いますが、業界には業界の都合や慣習、利益モデルなどがあるのでちょっとその辺りは省略します。
全部なくなるわけではないのですが、インターネットが普及し、インターネットで家を探せる層が消費者としてのコア層になってきています。そしておとり広告なんかも厳しく罰せられる状態になってきていますから、営業マンが条件の悪い物件をプッシュすることはできなくなっているということにつながり、そしてそれがコロナ禍でより加速しているような状況が今です。
苦労しているエリアでの初期安プランは当たり前
では広告料は低くても良いのかというとそういうことではなく、広告料が高い方が積極的に紹介してもらえるのは事実です。
また、競争が激しいエリアでは初期費用が安いプランでの募集は当たり前で、初期費用が安いプランというのは大家が初期費用のコストを持つことになるので、広告料を高くするか入居者のために初期費用を出してあげるか、と言ったようなパターンで募集することが増えています。
なので、ちゃんと募集しているにもかかわらず反応が乏しい、前向きな交渉が来ない物件の大家に関しては、広告料を高くするだけでなく初期安での募集をすると多少は違ってくる可能性があります。悲しいことに、これは苦労している場合は新築でも同様です。
将来の需要がどうなるかは分からないし、とりあえず今苦労しているなら何をしてでも一旦満室経営をするというのが重要で、売却時の利回りから家賃設定を機にすることはやめます。気分は長期保有の地主です。
募集内容でちょっとした違いによる影響
募集をしてみるまで結果が分からないのが難しいのですが、礼金が1ヶ月しか違わないだけで申し込みの入り方が全く変わるということが出てきてしまいました。
2棟同時に竣工するアパートがあるんだけど、1棟は募集して2週間たらずで申込ベースで満室。
もう1棟は1部屋のみ申込。
この2つのアパートの違いは礼金が1ヶ月あるか無いかなのよね。
同じアパートで設定が違うからと思われるけど、たった1ヶ月の礼金でその他の競合との差が顕著に出てしまう事例。
— 帆足太一 @収益不動産プラットフォーマー (@hoashi_jp) June 12, 2021
都心部で需要が多い場合は多少強気に出ても一斉に埋まることがありますが、地方投資の場合は少しの差で空室が続いてしまう可能性があります。
実はこの僕も新築の物件で礼金を1ヶ月に設定して、1部屋だけ空室が残り、引っ越しシーズンが終わった後に礼金をゼロにしても何故かしばらく空室が続いてしまったという残念な経験をしたばかりです。
都心部の郊外だと上記のような話になるのですが、過疎気味の田舎だとまた別の事情があります。
田舎では新築が建築されにくいので、新築が建つと賃料設定次第では一瞬で満室になるということも珍しくはありません。
ただし、築年数が経過して設備が古くなってくると都心部やその郊外の物件のようにまあまあ頑張れば入居するということも少なくなり、圧倒的に賃料を安くしないと入居が決まりにくくなります。じゃあそういうエリアはNGなのかというとそうではなく、賃料を下げても運営できる計画かどうかです。
思ったよりも儲からなくても満室経営を長期で継続できたら時間をかけるほど利益が出るのが不動産経営です。
今できること
不動産会社にプッシュしてもらう場合は初期安パックが有効になりがちです。
しかし、まともに募集をしている上でニーズがなく問い合わせがない、その状態で今入居を決めようとする場合は家賃を下げるしかないのが今の市況となっています。
これをいう管理会社は責められがちなのですが、数年前と違ってすっかり管理会社や大家力というより、今は物件力(物件の条件)がより重要になってきています。
設備投資などでバリューアップするのも良いし、何もコストをかけずに空室を満室にするには家賃を見直す必要がないということになります。
人件費も高騰しているし、物価も何かしら上がっているし、なら賃料もアップしたいところなのですが、それが成り立つのは一部のエリアのみです。
○日本人は知らない…なぜか日本の「物価」が上がらない「意外すぎるワケ」
○日本でも今後ついに「ひどいインフレ」がやって来るのか、インフレの「謎」に迫る
残念ながら仮に日本がインフレとなったとしても、賃料が上がらないのは賃貸住宅の需給バランスのせいなので、それが賃料に反映できるのは一部のエリアの物件だけと考えるのが自然です。消費税然り賃金上々然り、大家の利益率は悪化するばかりなのですが、大半はただただなすすべもなく受け入れるしかありません(泣)。
ところで、先日久しぶりにお会いしたの投資家から「金利も借りた時より交渉して1~2%全て下げることができた、他より入居率も良い、買ってよかった」といった声を貰いました。
ここで重要なのは、金利がそれだけ下がると買った時よりもキャッシュフローが上がっているということです。交渉を受け付ける金融機関とそうではない金融機関もいるし、規模拡大する場合は交渉がネガティブな影響を及ぼすこともあるので、完全に推奨することはできないものの、必ずしも買った時から家賃や修繕費がかかって収支が落ちることしかない、というわけではないことも事実ということは知っていて欲しいことです。
では今週もよろしくお願いします。
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