不動産投資、簿価が下回っての売却は損をしているのか。






最近、ポシャってしまった、あるいはポシャリそうな案件があって、契約と決済の日取りまである程度決まってきていたところの話です。

売主側が売り止めにする、というのが理由で、原因が簿価に関わるものでした。

よく売却時の損益計算がわからない人が多いのですが、不動産投資での節税といえば多くは新築区分マンションです。節税といっても、このケースは損しているだけなんですけれど。

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簿価とは

簿価というのは、減価償却をした原価みたいなものなので、購入時に何かしらの方法でたくさんの経費を計上したり、所有期間中に早いペースで減価償却を行うとその分、税金が圧縮され税引き後のキャッシュフローが増えます。

一方で、帳簿上の資産としての原価は下がるので、売った時に利益が出るということになります。年収が高い個人は、表向きに損益がとんとん(プラスマイナスゼロ)だったとしても長期譲渡税率を使った差でキャッシュフローを出すことも可能です。でも、まあこれは、1000万を超えてこないとあまり意味はないのでまずは普通に稼ぐことを目指しましょう。

減価償却を長くとる場合

反対の考え方をします。
減価償却年数を借入よりも長くとると、借金の返済がはやくなる&土地は減価償却出来ない&建物の減価償却が遅いため、税金を多く払うことになり、毎年のキャッシュフローは先程の減価償却をたくさんとっていく手法よりも少なくなります。

この場合は、数年後あるいは数十年後に売却するときに簿価が高く残ることになり、お金がたくさん残るのに、帳簿上は赤字になっている場合が多く、法人だと還付や当年度の他の利益の圧縮にも繋がります。

先程も書きましたが、所有期間中に減価償却をあまりとっていないので、目先のキャッシュフローが少なくなるということになります。

売止の理由

さて、話はもどりますが、この後者のケースで帳簿上で赤字になるから売るのやーめたっ、という話しでした。

若干なら調整可能だったり、高値売却を目指すことで多少変わるかもしれません。大幅にとなると、急に減価償却を多くとれないので、これからこの案件が簿価より高く売れる可能性というものは極めて低いということになります。

そうすると、他に利益でているときに売ってしまって現金にかえたほうが、賢い選択だと言えます。

もっともこのケースでは、放置プレイにより、うまく運営できていない物件というのもあってここまで断言しているというのもあります。

説明はしたいと思いますが、こういう話は「なんとなく損する」と思っている中々相手には伝わらないので、これがまたこの業界のジレンマです(泣)。

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